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JBLが聴ける店・Sound of JBL | お茶の水 | JAZZ OLYMPUS!

JBLが聴ける店・Sound of JBL

お茶の水

JAZZ OLYMPUS!

オーナーが惚れ込んだ
「Olympus」のサウンドを
大音量で堪能する。

JBLが聴ける店

お茶の水・老舗ホテルの1階にある明るいジャズ喫茶。

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【上】和風のホテルにマッチするオシャレな雰囲気の外観。【下】大きな採光の明るい店内は、まるでレストランのよう。この明るさが入りやすさにつながり、女性客も多く訪れる。

 東京・お茶の水の一角に昭和初期創業のホテル「昇龍館」がある。そのホテルの1階に2009年、ジャズ喫茶がオープンした。それが「JAZZ OLYMPUS!」だ。
 オーナーの小松誠氏が脱サラして始めた同店には、その名の通り「Olympus」が置いてあり、大音量でジャズが楽しめる。
 小松氏のジャズ歴は古い。中学1年の夏、地元の町で開催されたフォークソングのコンサート帰りに、大学を出たての担任教師がジャズ喫茶に連れて行ってくれたのがきっかけでジャズとサイホン・コーヒーに目覚めたそうだ。そして、レコードを買い始め、ジャズにのめり込んでいく。集めたレコードは現在4000枚を超えるコレクションとなり、店に置かれている。20代後半になるとオーディオに開眼。もっといい音で楽しみたいとオーディオにお金をかけ始めた。
「それまでは、システムコンポでレコードを聴いていたんですが、もの足りなくなり『4311』を買ったんです。これが、本当にいい音で、大音量で鳴らすと、さらにいい。当時マンションの3階に住んでいたんですが、1階のお宅から苦情が来たほどでした(笑)」
 しかし、小松氏はさらなる大音量を求める。そして「4344」を導入した。
「大きなスピーカーなら、もっと大きく鳴らせるはずだ。『4344』はでかい。しかも4Way。でも、残念ながら、大音量にしても部屋の環境が負けるというか、自宅では鳴らしきれなかった。何とかしようと試行錯誤していた時、オーディオショップから悪魔の電話が入ったんです。『Olympus』の程度のいいのが入ったから聴きに来ない? って。『4344』を買って数ヶ月でしたし、ローンもいっぱい残っています。ですから、無理だよって電話を切りました」
 ところが、電話を切った小松氏はすぐに店に向かったそうである。そこには程度のいい、ピカピカに磨き上げられた70年代の「Olympus D50 S8R」があった。「375」ドライバー、38cmウーハー「LE15A」、「パッシブラジエーター」、そして「075」ツイーターを組み合わせた「Olympus」の最上級モデルである。
「聴かせてもらってすぐに、ああ、このニュアンスじゃないか。これだこれだと惚れ込んで即購入。本当に悪魔の電話でしたね(笑)」
 しかし、この「Olympus」との出逢いが、ジャズ喫茶の開店に繋がり、店名にまでなったのだから、まさに運命の出逢いという他はない。

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【上】70年代の「Olympus D50 S8R」が大音量で至高のサウンドを鳴らす。【中】「075」ツイーターはエンクロージャーの上に新たにレイアウトし、音像がさらに広がるようになった。【下】カウンター席奥のラックには、50年代のJBLスピーカー「Madison」とコントロールアンプ・JBL「SG520」が置かれている。

「僕は、こんなに能力があるんだよ」と「Olympus」に教えられた。

 小松氏は「JAZZ OLYMPUS!」を開店。もちろんフロアには「Olympus」を置いた。
「正直に言うと、この店に置いた時、どんな音が鳴るかわからなかったんです。まず左右をどう決めるか。『Olympus』はメーカーからLRの指定はありません。『075』を内側に設置するか外側に設置するかで音は全く変わりますし、そこは位置を変えて試すしかありません。スピーカーケーブルの長さもいろいろ変え、あの家具調の落ち着いたデザインから想像もできないエネルギッシュな音を鳴らすことができました」
 この「Olympus」には、70年代に作られたJBLのコントロールアンプ「SG520」とパワーアンプ「SE400S」が繋がっている。結線には、パワーアンプをスピーカーの直近に置くか、コントロールアンプの直近に置くかの試行錯誤があった。現在のレイアウトに決めてからは、22メートルのスピーカーケーブルを使用している。
「開店して1年経った頃から、音はさらによくなりました。毎日大音量で鳴らし続けたことによるエイジングと、建物自体も改装して時間が経ったことで、おそらくすべてが馴染んできたのだと思います」
 その後、「075」をエンクロージャーの外に出し、ワンオフでウッドのBOXを誂えた。「375」と垂直軸を合わせたことにより、高音域の広がりがさらに増し、よりバランスの取れたサウンドになったそうだ。また、現在はスピーカーの下に3枚の板が敷いてある。高さを出したくて1枚ずつ徐々に増やしていった結果、3枚がベストだった。しかし、この3枚の板は、重ねる順番で音に違いが出てくるそうだ。
「オーディオの能力って本当にわかりません。いくらセッティングを変えたり、さまざまな調整を施しても理想の音に近づかないこともあれば、時間経過によって音が自然に成長していくこともある。この『Olympus』も、自宅では無理だった大音量で鳴らし続けて、どんどん音が良くなって来ました。取った対策にも応えてくれ、『僕には、こんなに能力があるんだよ』とスピーカーに教えられたような気がします。空気を震わせて鳴る音をぜひ体験して欲しいですね」
 同店では、ビッグバンドが比較的多くかけられる。カウント・ベイシー、バディ・リッチ、スタン・ケントンなどのビッグバンドが大音量で楽しめる。ビッグバンド以外では日々の時間経過とともに、雰囲気に合わせた選曲を行なっている。また、通常は一切かかることがないが、定休日に「ロック喫茶変身イベント」が不定期で開催され、70年代のロックを「Olympus」で聴くことができる。
「開店して5年ほど経った頃、スピーカーが上手く鳴り出したので、閉店後、試しにロックをかけてみたんです。これがすごく良かった。あまりに良かったので、一人で聴くのはもったいないと思い、イベントにしてみました(笑)ピンク・フロイドやドゥービー・ブラザーズ、サンタナなどをレコードでかけます。『Olympus』は、びっくりするほどロックも鳴りますよ」
 イベント開催は同店のWebサイトで予告されるので、ロックに興味のある方は要チェックだ。

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【上】名物「赤いチキンカレー」を目当てに訪れるお客様も多い。【下】コーヒーハンターで有名な「ミカフェート」の豆で淹れたものだけを提供。

多くのファンを持つ
名物「赤いチキンカレー」。

 「JAZZ OLYMPUS!」には、サウンド以外にも有名な「名物」がある。それが、ランチタイムに提供されるオーナー渾身の「赤いチキンカレー」だ。ジャズに造詣の深いタモリ氏や、林家正蔵氏が「笑っていいとも!」で、その美味しさを紹介したほどの逸品である。
「疑っている人もいるんですけど、毎日私が作っています(笑)。10数種類のスパイスと岩手あべ鶏を使ったカレーです。でも、うちはカレー屋じゃなくて、あくまでジャズ喫茶。だから、カレーが有名になり過ぎてちょっと困ってます(笑)」
 同店でカレーを出すようになったのは、忙しいサラリーマンがお昼休みにジャズを聴きに来てくれる時に、昼食も素早く提供できたら時間の節約になるだろうという心遣いからである。
 ちなみに、ランチタイムには音量を控え目にしている。ジャズを楽しみたい方は、午後2時までのランチタイムを避けて訪れれば、大音量のJBLサウンドが堪能できる。
 至高のサウンドと、極上のカレー、そして心を込めて一杯ずつ淹れられる味わい深いコーヒー。もちろんバータイムにはお酒も楽しめる。ここ「JAZZ OLYMPUS!」で、音も料理も心ゆくまで味わって欲しい。