page_back

JBLが聴ける店・Sound of JBL | 兵庫・神戸 バー・ゴスペル

JBLが聴ける店・Sound of JBL

兵庫・神戸

バー・ゴスペル

おしゃべりの邪魔はせず、
しっかり聴けるサウンドを求めて。

JBLが聴ける店・バー・ゴスペル

神戸のナイトライフをリードして28年。
お酒と音楽が最高に溶け合う場所を目指す。

JBLが聴ける店・兵庫・神戸 バー・ゴスペル 01 JBLが聴ける店・兵庫・神戸 バー・ゴスペル 02 JBLが聴ける店・兵庫・神戸 バー・ゴスペル 03

【上】トアロードのド真ん中にある超高層タワーマンションの1Fにある「バー・ゴスペル」。ガラス越しに見える店内と観葉植物だけだと一見、なんのお店かわからないが、ドアを開けると心地よいサウンドが響いてくる。【中】淡いライティングの心地よい店内。マスターである大倉カイリ氏との会話を楽しみながら、しっかりと聴こえてくるサウンドがバー・ゴスペルの真骨頂。【下】神戸のナイトシーンを語るうえで欠かせない人物のひとり、大倉カイリ氏。25歳で「バー・ゴスペル」を開店し28年。7年前に現在の場所に移転してきた。コリアンレストラン「KIM」のオーナーは奥様。

 そのバーは、神戸を山手に向かって伸びるトアロードのちょうど中間に位置する超高層タワーの1階にある。正直、この場所は行ったことがある人でなければ、なかなか見つけられない。観葉植物が並べられたガラス張りの外観に看板はなく、コリアンレストラン「KIM」の看板が置かれているのみ。まさに知る人ぞ知るお店、それが「バー・ゴスペル」だ。高い天井の広々とした店内は、手前に「バー・ゴスペル」のカウンター、奥にはコリアンレストランが同居する変わったレイアウトになっている。

 オーナーの大倉カイリ氏は、神戸のミュージックシーンに欠かせない人物のひとり。FMラジオの選曲や雑誌の音楽評などに携わりながら、神戸の名物バーを28年も続けてきた。

「もともと音楽とお酒が交わる雰囲気が好きだったこともあって、25歳のときにバーをはじめました。お店でかける音楽は、お酒の邪魔にならない色気のあるものにこだわっています」

 最初の店に置いていたスピーカーは国産だった。ジョージ・ベンソン、パット・メセニー、ドナルド・フェイゲン……。70年〜80年代のフュージョンからロック、クロスオーバー、ジャズまで、幅広い音楽をそのスピーカーで鳴らしていたところ、ある日訪れた地元の先輩からダメ出しをくらった。

「お前の店は音が悪いと言われたんです。で、いい音を聴かせてくれるということで、先輩の自宅に行きました。そこに置かれていたのが『4311』でした。それまでも先輩からJBLの話は聞いていたんですが、そのときの衝撃はすごかった。音の次元が違いました」

 それからJBLのスピーカーを探し求め、やっと手に入れたのが『4312』だった。

「手に入れたのはよかったんですが、思ったような音がなかなか鳴らなかった。まさにジャジャ馬。まずは先輩がやっていたセッティングに近づけてみたり、しっかり鳴らしている有名店に通ってみたり……。生楽器の音に近づけるためにライブによく通いました。アッテネーターの調整はもちろん、スピーカーを傾けたり、何かを載せたり、ケーブルを交換するなど、都市伝説的なこともいろいろ試しました(笑)。思ったような音をつかむまでには3〜4年かかりましたね」

 目指したのは、おしゃべりの邪魔にならずに一定の音圧を出すこと。つまり、長時間聴いていても疲れずにしっかりと聴けるサウンドだった。

JBLが聴ける店・兵庫・神戸 バー・ゴスペル 04 JBLが聴ける店・兵庫・神戸 バー・ゴスペル 05 JBLが聴ける店・兵庫・神戸 バー・ゴスペル 06

【上】1970年後半〜1980年前半の製品で構成したサウンドシステム。ユニットにはアルニコVマグネットを使用している。【中】大きな体躯のエンクロージャーは、JBLとサンスイが共同開発した改造版。北欧産の樺桜等圧合板と高密度パーチクルボードで構成し、さらに米松補強材を非対称に配置することで定在波などの不要振動を抑えている。【下】カウンターから振り返ると、ゴージャスなベンチソファが置かれている。その背面には優れた音響効果を演出するといわれる大谷石で仕上げた壁が印象的。コンクリートやガラスに比べ吸音率が高い大谷石は、空間形状や設計と合わせると、ジャズやクラシックなどを心地よく鳴らす。

シンプルなセットでさえ心地よく鳴らす
JBLのポテンシャルには驚くばかり。

 7年前に現在の場所に移転した「バー・ゴスペル」。カウンター正面に置かれているスピーカーは、幅555mm 高さ845mm 奥行430mmという大きな体躯を持つエンクロージャーに、38cmウーファー(2220A)に、ホーン型ドライバー(2420ドライバー/2307ホーン/2308ディフューザー)、ツイーター(2405)による3ウェイ3スピーカー・バスレフ方式を採用している。ちなみにネットワークはエンクロージャー上部に3110A(中/低域)と3015(高/中域)を外付けしている。

「ベースとなったのは80年代初頭の『4333』です。ブックシェルフ型から、前オーナーにより大型のエンクロージャーに変更されています。JBLとサンスイがコラボしたもので、38cmウーファー(2220A)がインストールされています。前オーナーは、3wayの4333のバランスの良さに対して、さらなる音響特性の改善、つまり「鳴り」のスケールアップや豊かなハイファイ感を求めたと想像できます」

 このスピーカーに対して、アンプはサンスイa607で、Mac Book ProのiTunesで鳴らすという、いたってシンプルなもの。

「ソースはPCオーディオ(iTunes)、それもコンバーターを使わずヘッドホン・ジャックでの出力ですから、オーディオ好きな方には冷笑されること請け合いのセットです(笑)。それでも、このセットをバランスよく豊かに鳴らすJBLのポテンシャルの高さを感じていただければと思います」

 いい音を求めて日々、新たな実験を繰り返す大倉氏。イジり方次第で、まだまだ鳴ると思わせる懐の深さに驚くとともに、頼もしさも感じているとか。

「クラブのような低音強調ではなく、目指すのはあくまでも自然な音。お酒を呑みながらお客さんが気持ちよく話せて、聴こうと思えばしっかり音楽を味わえる。そんなサウンドへの答えを追求し続けています」

JBLが聴ける店・兵庫・神戸 バー・ゴスペル 07 JBLが聴ける店・兵庫・神戸 バー・ゴスペル 08 JBLが聴ける店・兵庫・神戸 バー・ゴスペル 09

【上】まずは人気のハイボールで喉を潤すのもいいだろう。1杯1杯ていねいに仕立てる大倉さんの動きを見ながらいただく心地よい喉越しは格別。ハイボールは800円〜。【中】シングルモルトやスピリッツ、カクテル、ワインまで、お酒の品揃えは豊富。カクテル目当ての客も多いが、厳選したワインも人気とのこと。ワインも800円〜。お隣の韓国料理店からのデリバリーするキムチ盛り合わせ(700円)も人気。【下】お店が終了後、一番心地よく聴ける場所で一息入れる大倉氏。「この時間が好きですね。カラダに音が気持ちよく入ってくる感じがいいですね」。

知的好奇心を満足させる
ナビゲーターでありたい。

 奥から漂う韓国料理の香りに食欲をそそられながら、美味しい酒と心地よい音楽を味わう。もちろん韓国料理を食べた後にバーを訪れてもいいし、バーで韓国料理を注文するのもOKだ。音と酒、そして食欲が絶妙にバランスする至福の一時。そんな瞬間を味わうために、多くの人がバー・ゴスペルを訪れる。

「先輩の家で聴いたJBLのスピーカーから鳴る音はとにかく衝撃で、それはいい意味で『商品』として完璧なカンジがしました。それは酒や内装、サービスなんかも同じなんですが、“音”のレベルが違うだけで、こんなにも素晴らしく心地よい時間を過ごせるんだという、それまのボクには知らない感動があったワケです」

 大倉氏から名前や職業を聞くことはない。話をするなかで見た目だけではわからないことがわかってくる。そのうえで、お客さんにどう楽しんでもらえるかを考えることが歓びだという。

「あくまでもお客さんの快楽が第一(笑)。お客さんが気持ちいいようにしてくれたら、それでいいんです」

 バーをはじめて28年の大倉氏が感じていることがある。それは音楽やお酒をを楽しむ人はいるけれど、その質をちょっとあげよう、突っ込んで付き合っていこうという人が減ったことだ。

「僕らは先輩にくっついて遊ぶなかで、お酒や音楽の楽しさを覚えていきました。お酒、音楽はもちろん、知らないことをもっと知りたい。そんな知的好奇心がありました。バーでしか知り得ないことってあるじゃないですか。そういう意味では、最近女性のお客さんがおもしろいですね。ウイスキーでもワインでも飲みたいものを飲む女性が増えてきている。ウイスキーならばシングルモルトをストレートで味わっていたりしますから。お酒でも音楽でも、自分の気持ちのままに楽しめる場所でありたいし、そんなお客さんを増やすためにも、バーならではの楽しさをナビゲートしていきたいですね」

 神戸のナイトライフにおける最重要人物のひとり、大倉カイリ氏。今宵も忘れかけていた好奇心を呼び覚ましてくれる"先輩"に会いに行きたくなる。