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JBLが聴ける店・Sound of JBL | 滋賀・草津 JAZZ&BAR COLTRANE

JBLが聴ける店・Sound of JBL

滋賀・草津

JAZZ&BAR COLTRANE

4343の心地よい音に癒される
何よりの至福の時間。

JBLが聴ける店・JAZZ&BAR COLTRANE

オーナーのジャズ愛に
関東からもミュージシャンが訪れる。

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【上】東海道本線の草津駅からほど近いビルにある「JAZZ&BAR COLTRANE」。コルトレーンの顔がブルーに浮かび上がる看板が目印。【中上】エントランスは、入口を入って階段を上がったところにある。【中下】「JAZZ&BAR COLTRANE」のオーナー・中嶋 守氏。会社を定年退職した後に自分が好きなことを集めた店をしたいと、2014年にこの店をオープンした。「4343を心地よく鳴らして、好きなシングルモルトを飲むのが至福の時間です」と中嶋氏。【下】中嶋氏に衝撃を与えたジャズジャイアント、ジョン・コルトレーンのアルバムたち。「初めて『至上の愛』を聴いた時は、魂を揺さぶられるような感じがして、怖い気すらしました」と中嶋氏。

 琵琶湖の湖南にある草津に、ジャズミュージシャンがこぞって出演するスポットがある。その名も「JAZZ&BAR COLTRANE(ジャズ&バー コルトレーン)」。ジャズジャイアントの名前を冠したこちらのお店には、関西はもとより、関東からも多くのミュージシャンがライブのリストに名を連ね、月に6回程度行なわれるライブはチケットがソールドアウトになることも多いという。

 そんな人気のジャズライブスポットは、今どき日本中を探してもそうそうあるものではない。とはいえ、グランドピアノにドラムセット、そしてアンプが置かれたステージは決して広くはなく、2014年オープンなので老舗でもない。ではなぜ、「COLTRANE」にはミュージシャンと客が集まるのだろう。そんな疑問の答えを見つけるべく、オーナーの中嶋守氏に話をうかがった。

「サラリーマンを42年間やって、定年退職してから、この店を始めました。おかげさまでジャズライブをする店として知られるようになりましたが、もともとはここまで頻繁にライブをするつもりはなかったんです。あくまでも "自分へのご褒美"として、たまにできればいいという感じでした。でも蓋を開けてみたら、関西のミュージシャンのみならず、関東からも多くのミュージシャンが出演してくださり、多くのお客様がお越しくださっています。ありがたいことですね」

  穏やかに語るオーナーの中嶋氏。しかしジャズの話になると、途端に熱を帯びてくる。ジャズへの愛が止めどもなくあふれてくると言ったらいいだろうか。そう、これこそミュージシャンたちがこぞって出演する大きな理由。中嶋氏のジャズへの熱い想いから生まれるミュージシャンへのリスペクト。それが彼らを惹きつけて止まないのだろう。

「私は団塊世代の真っ只中の生まれなんです。中学2年の時にビートルズが流行し、ニール・セダカやビーチボーイズといった洋楽にどっぷり浸かっていました。そんななか勉強するために深夜ラジオで流れていたのが、チャーリー・パーカー、マイルス・デイビス、そしてジョン・コルトレーン。なかでもコルトレーンの『至上の愛』は衝撃的でした。バップとは違ってたたみかけてくるようなサックスに魂を揺さぶられる思いがして、怖ささえ感じました。でも当時はフォークが全盛期。ジャズのことを語りあえる人はいませんでした。そんなジャズの話をこの店では語りあえる。それが嬉しいんです」

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【上】14年ほど前に手に入れたJBL4343(70年代半ば製造)。4343のエンクロージャーにあわせてバックカウンターを設計したという。4343の音を楽しむならば、正面のカウンター3席がオススメ。目の前にステージが広がるような立体感のあるサウンドを体感できる。【中】天井にはコルトレーンの顔が浮かび上がっている。直接筆で描かれたもので、黒く仕上げた天井のなかで一際目を引くアイコンとなっている。【下】カウンター6席、テーブル12席を備えた店内には、グランドピアノが置かれている。適度な反響を持たせ、4343が奏でるサウンドを心地よく聴けるちょうどよい広さ。

38cmウーファーを震わせ
4343のサウンドを楽しむ。

 高校の時にコルトレーンに出会った中嶋氏は、そこにクレジットされていたメンバーをひも解くように多くのジャズアルバムを集めていく。聴き込むほどにジャズならではの臨場感あるサウンドを手に入れたいと思うようになるのは必然の流れ。そのなかで中嶋氏が憧れたのが、JBLのスピーカーだった。

「いつかは43シリーズを手に入れたいと思っていました。それも、聴きたい音源と同じくらいの時代につくられたスピーカーを。でも会社に就職するとすっかり仕事中心の生活になってしまい、レコードを味わう時間はなかなか持てなくなりました。やっとターンテーブルを動かすようになったのは、仕事が落ち着きだした40歳くらいですね」

中嶋氏が4343(70年代半ば製造)を手に入れたのは、今から14年前。当時4343を鳴らしていたのは、自宅の8畳の和室だったという。

「仕事が終わって帰宅してからの楽しみがオーディオだったんですが、家族やご近所に気を遣いながら小さな音で聴いていました(笑)。38cmウーファーを震わせるような大きな音で鳴らしたい。そんな欲求がいつもありました。で、会社を定年したのを機に、そんなスペースを手に入れようと始めたのがこの店です。お酒(シングルモルト)も好きだったので、この店はまさに自分の趣味を集めたようなもんですね(笑)」

 バックカウンターにドカンと置かれた4343が圧倒的な存在感を放つ。パワーアンプはマッキントッシュのMC2205、コントロールアンプには同じくマッキントッシュのC30をセレクト。ターンテーブルにはモノラル用とステレオ用にDENON DP-1300Mを2台用意している。

「バックカウンターは4343にあわせて設計してもらいました。カウンターに座ったお客さんの耳の高さにあわせました。特に加工はせず、4343は手に入れたままの状態で使っています。まわりの店への配慮から、防音シートを2枚貼っている以外は、音響も特別いじっていませんが、みなさん心地よい音だとおっしゃってくれます。なにより私が満足しているんですけどね(笑)」

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【上】店内のステージには、グランドピアノとドラムセット、そしてパワーアンプを揃えている。決して広いステージではないが、関西はもちろん、関東からも出演を希望するミュージシャンが多い。月に6回程度行われるライブは、ソールドアウトになることも多いとのこと。【中】「私が好きだったので、当初はシングルモルト専門にしたかったんですが、今ではほとんどのお酒を用意しています(笑)」。中嶋氏のオススメは、アードベッグ10年(800円)。【下】ズラリと並ぶアナログレコードたち。ジョン・コルトレーンから紐付いて広がった中嶋氏のジャズの歴史が詰まっている。ターンテーブルはステレオ用とモノラル用の2台(DENON DP-1300M)を用意。パワーアンプはマッキントッシュのMC2205、コントロールアンプに同じくマッキントッシュのC30。

ひとりシングルモルトをやりながら
4343に耳を傾ける至福の時間。

 ターンテーブルに乗っているのは、コルトレーンのアルバム「Blue Train」。コルトレーンのサックスが立体感を持って目の前に現れる。ドラムのハイハットやライドシンバルの微細な高音に、ツブ立ちのよいウッドベースの低音がカラダに染みこんでくる。なにより量感ある中音域が素直に入り込んでくる感覚が心地よい。同じくコルトレーンの「Ballad」では、ドラムのブラシワークの表現力に驚かされる。何度も聴いたことがある音源なのに、これまで気づかなかった新たな発見もまた楽しい。

「流行に乗ってハイレゾも試してみました。確かにクリアだし高音域はよく出るんだけど、音のまとまり方が求めているものとは違ったんです。やっぱりアナログレコードのバランスが好きなんです。そういう意味で、今のシステムは気に入っています。原音を増幅したナチュラルなサウンドは、目の前にミュージシャンがいるかのような臨場感を持ちながら、長く聴いていても疲れることはありません。それが、この店で一番長く聴いている私の感想です(笑)」

 東海道本線の草津駅からほど近いこちらの店には、大阪や京都で仕事をして帰ってきた方が、帰宅前にクールダウンする場所として訪れることが多い。4343が奏でるサウンドは、中嶋氏が一番心地よく聴けるボリュームにセットされている。通常の店では考えられないほどの大きな音量だが、決してうるさくなく、身を委ねられる。ここでしか得られないサウンドが、訪れる客の一人ひとりの心を癒やしてくれる。あまりの心地よさに時間の感覚がなくなっていくのが玉に瑕だが…。

「なによりも癒やされているのは、私なんです(笑)。お客様がお帰りになった深夜12時過ぎから、ひとりでシングルモルトをやりながら4343の奏でる音に耳を傾ける。これが私のやりたかったことなんです。私にとって至高の時間ですね」