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JBLが聴ける店・Sound of JBL | 神保町 | BIGBOY

JBLが聴ける店・Sound of JBL

神保町

BIGBOY

「4343B」で追求した
自分が「好きな」音。

JBLが聴ける店・神保町BIGBOY

神保町の裏路地にある「昔ながら」のジャズ喫茶。

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【上】デザイナーならではの感性が光る瀟洒なインテリア。壁には「4343B」が埋め込まれている。【中】神保町の裏路地を眺めながら、ジャズを楽しむことができる。【下】マティーニなど、林氏が作る本格的なカクテルも人気。

 神保町交差点すぐの裏路地に佇むスタイリッシュなジャズ喫茶「BIGBOY」。広告業界でデザイナーを務めていたオーナーの林邦裕氏がコンセプトデザインから手がけたインテリアはシンプルかつスマートだ。ワイドに設けられた窓からは路地の風景を眺めながら、ゆっくりとジャズの調べに浸ることができる。
 林氏はかつて神保町にあったジャズ喫茶「響」をよく訪れていたこともあり、8年前、かねてから念願だったジャズ喫茶をこの街に開いた。
「この店は新譜を聴かせるという意味で、昔ながらのジャズ喫茶だと思います。昔は、新譜はなかなか自分で買えない人が多かったので、ジャズ喫茶で聴くしかなかったんです。名盤は他のジャズ喫茶に揃っていると思うので、ここではなるべく新譜をかけたいですね。今は、アメリカのジャズが壁に当たっているから、ヨーロッパがおもしろい。イタリア、スペインのジャズはテクニックのレベルも高いし、ポーランドやチェコなんかもいいですよ」
 コーヒータイムには、お手製のサンドイッチを楽しみながらジャズに耳を傾けるファンが訪れる。バータイムは「僕の最終学歴は日本バーテンダー協会のスクールなんです(笑)」という林氏が作る、本格的なカクテルも人気だ。
「ジャズとオーディオは、この店の共通言語。お客様同士で会話が弾み、名刺交換をしているような姿を見るのが、何よりの幸せです」
 最新のジャズに浸りながら、林氏や同店に集った人たちとコミュニケーションを楽しむことができる。ここ「BIGBOY」は、ジャズファン、オーディオファンにとって、かけがえのない空間に違いない。

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【上】カウンター正面、両サイドに埋め込まれた「4343B」スピーカー。【中】セッティングの参考にと、アッテネーター部分を撮影していく「4343B」ユーザーのお客様もいる。【下】プリアンプはMark Levinsonの「No.38L」。「Mark Levinsonは絹ごしの音を出す」と林氏。

「4343B」が奏でる
艶っぽいサウンド。

 壁に埋め込む形で美しくセッティングされている「4343B」は往年の超人気4ウェイスピーカーシステム。
「集めたレコードが2000枚くらいになったときに、せっかくだからいい音で聴きたいと思い、オーディオの世界へ入りました」という林氏は、「4343」「4311」「4333」などJBL一辺倒のスピーカー遍歴を重ねてきた。そして広告業界に携わっていた1978年頃、自らが広告を担当していた当時のJBLの代理店「山水電気」の視聴室で出会った「4343B」に惚れ込んで購入。8年前の開店と同時に、自宅から「BIGBOY」へと移設された。店の電話番号も「4343」にしたほどの熱い想いがこめられている。
「壁に埋め込んでしまえば、あとはアッテネーターを調節するくらいしかないので、セッティングは楽でした。この4343Bは、ウーハーのフェライト・マグネットをアルニコ・マグネットに替えてあるんです。それによって、低音域の締まりが出るようになりましたね。プリアンプは、"絹ごし"の音を出せるMark Levinsonの『No.38L』。やんちゃなJBLスピーカーとのバランスがすごくいいですね。4343Bは決して優等生じゃないけれど、すごく艶っぽい、色っぽい音を出してくれる。やっぱりジャズはJBLですね」
 好きなジャズのピアノがよく鳴る音、そして自分が長時間聴いていて疲れない音を目指したという林氏。オーディオには「いい音」や「悪い音」は存在せず、「好きな音」か「嫌いな音」しかないというのが持論だ。
「もし"いい音"が存在するなら、その音が出せる製品をみんなが買えば済むでしょ。でも、実際には、いろんな製品があって、セッティングの順列・組み合わせも無数にある。だから、結局は自分の好きな音を求めて試行錯誤するんだと思います。僕は自分で追求してきたこの店の音が好きなんです。ですから、きっとこの音が好きだって思うお客様が来てくださってるんでしょうね」
 林氏が求めたサウンドを満喫するため、今日も多くのファンが「BIGBOY」に集う。

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自宅にある膨大なコレクションの中から、厳選されたレコード約1800枚、CD約5000枚がお店に並べられている。この中からリクエストもOK。

年齢を重ねて楽しめる
ジャズの奥深さ。

 アストラッド・ジルベルトのバックで鳴っていたスタン・ゲッツのサックスに感動し、高校2年生のときにジャズにのめり込んだという林氏。その魅力は、時を経ても楽しめる奥深さにあると語る。
「この年齢になったから言えることだけれど、若い時に聴いていた曲でも、今では異なった感性で、まったく別の曲として受け入れて楽しむことができる。そんな奥深さがジャズにはあると思います。ですから、ジャズは一生付き合える、お得な音楽なんです」
 店内にはレコード約1800枚、CD約5000枚をストックし、リクエストも受け付ける。決まった選曲パターンはなく、その時の雰囲気に合わせて自由にかけてくれるという。
「雨が降ったら、雨にマッチする曲をかけることもあるし、リクエストがあれば、その流れに沿うようなものを次にかけたりします。僕もアドリブをやっているようなものですね」
「ジャズは勉強するものじゃなくて楽しむもの」だと語る林氏。新たなジャズファンのために、いつでも気軽に店のドアを開けてくれる。
「この曲から聴かなきゃいけないなんてルールは、ジャズにはありません。いろいろ聴いてみてわからないことがあったら、お手伝いしますというスタンスなので、気軽に声をかけて欲しいですね。スマホで曲名を検索する人がいるけれど、残念だなと思ってしまいますね。昔のように『マスター、この曲何? ジャケット見せてください』なんて声をかけてくれれば、こちらも『実はもっといい曲あるよ』なんて言ったりして、コミュニケーションの広がりが生まれるんですから。その場で自己完結しちゃもったいない。人生、寄り道って大切なんですよね(笑)」